《テーマ:平和》
白旗をかかげて(作・画 渡辺享子)
激しい沖縄戦の中、両親を失った姉弟が勇気をもって「生」への道に踏み出す。キーワードは「ぬちどぅ宝」(いのちは宝)。
のばら(脚本 堀尾青史・画 桜井誠)
原作 小川未明。二つの国の国境をそれぞれ守っている、年老いた兵士と若い兵士の出会いと別れ。殺し合うことの愚かさを描く。
嘉代子ざくら(作 山本典人・画 井口文秀)
当時高女4年だった嘉代子は、勤労動員中に原爆で命を落とす。その日行きたくないと言った娘を無理に行かせた自分のせいだと悲しみにしずむ母親は、嘉代子の好きだった桜の苗木を校庭に植える。実話。
おかあさんのうた(脚本・画 渡辺享子)
和歌山県海南市の空襲の際、防空壕の中でただ一人生き残った少女の話。主人公の和ちゃんは現在埼玉県在住、実話。
さだ子の願い(脚本 宮崎二美枝・画 江口準次)
広島で被爆し、闘病の末亡くなったさだ子のために、中学のクラスメートたちは千羽鶴を折り平和を訴える行動を起こす。
青い目の人形 メリーのねがい(脚本 宮崎二美枝・絵 片岡直子)
親善人形だったはずの青い目の人形が、戦争の中で悲しい運命をたどる。人形たちからのメッセージが伝わる作品。
ふうちゃんのそら(原案 中峠房江・脚本、画 よこみちけいこ)
7月1日の広島県呉市の空襲で、防空壕の中で大勢の人が亡くなった。恐ろしい体験をしたふうちゃんは、何年経っても何十年経っても空を見上げることができなかった。実話。
平和のちかい(脚本 稲庭桂子・画 佐藤忠良)
長田新「原爆の子より」。広島の被爆体験の中から3篇を描く。様々な悲劇をただ伝えるのではなく、深い問いかけで終わる。
コスモス(脚本・文 渡辺享子)
東京大空襲・原爆・終戦を子ども時代に体験した作者が、自らの体験をもとに友を失う悲しみ・平和への願いを描く。
6000人のいのちを救え(講談社)
ビザを発給して6000人のいのちを救った外交官、杉原千畝の業績と戦後の再会を描く。民族を超えた人間愛のすばらしさ。
かわいそうなぞう(作 土家由岐雄 画 久保雅勇)
戦争中の動物園の悲劇。絵本でも有名だが、紙芝居も必見。
あおよかえってこい(脚本 早乙女勝元 画 木村正志)
東京大空襲の中、ひとりの少年のいのちを身をもって守った馬の話。
マァをかえしてください(脚本 わしおとしこ・画 おぼまこと)
戦争中、国に供出された犬と、その犬を守ろうとした少女の話。
あかふんせんせい(脚本 画 渡辺享子)
第二次世界大戦末期、八丈島からの疎開船が潜水艦に撃沈され、小学生たちを含む乗船者が命を落とした。
みよちゃんの赤いぽっくり(脚本 画 渡辺享子)
東京大空襲のなかで、失われてしまった小さないのち。
空襲の翌朝、川にうかんだ赤いぽっくりがすべてを語る。
村いちばんのさくらの木(脚本 来栖良夫 画 箕田源二郎)
戦争中、大事に守ってきた桜の木を切り倒せと命令を受けるが、身をもって桜を守ったひとりの老婆。
トビウオのぼうやはびょうきです(作 いぬいとみこ 画 津田櫓冬)
水爆実験によって病気になってしまった海の魚たち。人間は他の生物とともに、同じ星のもとで共存していることを考える。
よみがえったすいせん(脚本 望月新三郎 画 渡辺享子)
戦争中、山中に埋めることでスイセンの球根を守った話。美しいスイセンが一面に咲く場面では平和のすばらしさを思う。
秋津の平和観音(作 小俣権太郎 画 冨岡精一)
戦争中、東村山の秋津町にB29が墜落し乗組員11人は全員死亡。墜落現場となった畑の持ち主の小俣さんは懇ろに遺体を葬った。戦後に息子の権太郎さんが平和観音を建立。実話。
《テーマ:いのち・生きる》
ねこはしる(作 工藤直子・画 保手浜孝)
内気な猫と池に住む小さい魚の友情を通して、生と死・いのちのつながりについて問いかける。工藤直子初めての紙芝居作品。
いなむらの火(脚本 川崎大治・画 福田庄助)(脚本 川崎大治・画 降矢洋子)
庄屋浜口儀兵衛は、津波が来ることを村人たちに知らせるため、刈り取ったばかりの大切な稲村に火をつけた。津波の恐ろしさを伝えるために世界で演じられている作品。
いのち輝け!夢之丞(脚本・画 中村ルミ子)
殺処分寸前に助けられた夢之丞は、広島県の災害救助犬訓練センターで人間との信頼関係を築き、立派な救助犬となった。実話。
花咲き山(原作 斉藤隆介・脚色 水谷章三・画 梅田俊作)
やさしいことをひとつするたびに花が咲く花さき山。純粋な気持ちにさせてくれる作品。
青の洞門(脚本 堀尾青史・画 小谷野半二)
原作 菊池寛「恩讐の彼方に」。大分県の山国川沿いの難所を21年かけて洞門を掘った禅海和尚の話。洞門は現在も残る。
モンゴルの白い馬(脚色 唯野元弘・画 降矢洋子)
モンゴルの民話をもとにした作品。少年と馬とのこころの交流を切なく描く。
くもの糸(脚本・画 諸橋精光)
原作 芥川龍之介。小説で有名な名作を、諸橋精光の力強い画で描いた作品。
なめとこ山のくま(脚本・画 諸橋精光)
原作 宮沢賢治。熊撃ちの名人小十郎は、熊を殺して生計を立てていることに矛盾と葛藤を覚えていた。前後編の重厚な作品。
いのちをいただく(文 内田美智子・画 魚戸おさむ)
屠殺の仕事を通して、人は「いのち」をいただいて生きていること、だからこそ自分の命を粗末にしてはいけないことを考える 。
おおきな木(シェル・シルヴァスタイン・文 ほんだきんいちろう)
一本のリンゴの木と一人の少年の関わりの中で、「愛」とは何か問いかける。深く考えさせられる作品。
走れメロス(原作 太宰治・脚本 西本鶏介・画 宮本忠夫)
誰もが知っている太宰の作品だが、紙芝居は、観客もメロスとともに三日間を駆け抜けることができる。
おかあさんのはなし(脚本 稲庭桂子・画 いわさきちひろ)
原作アンデルセン。ひとりの母親が、我が子を取り戻すために死神を追いかける。「幸せでも不幸せでも生きていることはいいこと、生きてほしい」と母は訴える。
けんじゅうこうえんりん(柵 水谷章三・画 藤田勝治)
原作 宮沢賢治。みんなとは少し違う虔十が、珍しく親にねだったものは何百本もの杉の苗だった。その後、虔十は病で死んでしまうが・・・
くじらのしま(脚本 堀尾青史・画 穂積肇)
新美南吉原作。クジラ漁が盛んな貧しい島の話。五山賞受賞作品。
杜子春(脚本 堀尾青史・画 小谷野半二)
芥川龍之介原作。半身が馬の姿になった両親が鬼に打たれるのを見て、思わず「おかあさん」と声を出してしまうラストは画によって一層胸に迫る。
五色のしか(脚本・画 鈴木徹)
宇治拾遺物語より。人間を助けた鹿と、鹿との約束を破った人間の話。
ぬすびととこひつじ(脚本 知世まゆ子・画 藤田勝治)
新美南吉原作。空腹から子羊を殺そうとした盗人が、やがて子羊に愛情を感じ、自らの心も変化していく話。心の変化が画でも如実に表されている。
ごんぎつね(脚本 画:諸橋精光)
新美南吉原作。諸橋精光の画が、兵十とごんの気持ちを際立たせる。
池にうかんだびわ(脚本 川崎大治・画 小谷野半二)
盲目の坊主が、自らの命を捨てて村人たちを救った話。自分の命か村人の命か、こころの葛藤が描かれる。
ねこのおかあさん(作・画 渡辺享子)
ニューヨークであった実話。火事の中から大やけどを負いながら子猫を助け出した母猫の話。実話ならではの迫力がある。
はしれバルトー(作・画 渡辺享子)
ジフテリアのワクチンを届けるため、アラスカを走りぬいた犬ぞりの話。実話。
オオムラサキのおかあさん(作・画 渡辺享子)
オオムラサキのむっくん
国蝶オオムラサキが、無事に卵を産み付け一生を終えるまでと、いのちのバトンを受け取ったむっくんの成長。
アカテガニのうまれるひ(作・画 渡辺享子)
満月の夜、アカテガニのお母さんは、卵をたくさん抱えて命がけで海に産卵に来る。
カニの産卵を通していのちを考える。
いわつばめとおぜのおじさん(作 画 渡辺享子)
イワツバメを守ることにいのちをかけた男性の話。実話。同時に環境問題も考える。
森のふしぎなこえ(作 画 渡辺享子)
北海道の地に住むコロボックルの話。人間に自然を破壊されるのを防ぐため一計を案じる。
トラのおんがえし(作 画 渡辺享子)
トラの母親を助けてやった医者が、あるときオオカミに襲われる。中国の話。
うみにしずんだおに(脚本 松谷みよ子・画 二俣英五郎)
四国の久礼の港に伝わる、海にしずんで岩になり人間を助けた親子の鬼の民話。
はしれ車いすの犬はなこ(文 坂井ひろ子・画 岡本美子)
交通事故に遭って動けなくなった犬のため、犬用の車いすをつくってやったという実話。
ななつのほし(脚本 堀尾青史・画 小谷野半二)
トルストイ原作。女の子のやさしい心が、木のひしゃくを北斗七星に変えるまで。
キラキラ(作・画 やなせたかし)
自分と違う姿かたちだからと、差別したり偏見を持ったりしてはいけないということを、やなせたかしの画で描く。
やさしいライオン(作・画 やなせたかし)
犬のムクムクが、愛情いっぱいにライオンブルブルを育てるが、ある日ブルブルが人間にとらわれてしまう。
チリンの鈴(作・画 やなせたかし)
オオカミのウォーに母親を殺された子羊チリンの物語。敵討ちのむなしさ・悲しさを描く。
ないたあかおに(作 浜田広介・画 野村たかあき)
青鬼のおかげで人間と友達になれた赤鬼が、青鬼の大切さ、本当の友達に気づく。
はしの上のオオカミ(脚色 長野ヒデ子・画 ミノオカリョウスケ)
橋を渡る者にいじわるをしていたオオカミは、ある時橋の上で自分より強い熊と出会う。すると熊は予想外の行動をとった。
かわうそ(原作 椋鳩十)
猟師に狙われた子どものかわうそを、身を盾にして守った母かわうその話。
モチモチの木(脚本 画 諸橋精光)
原作 斎藤隆介。諸橋精光の画によるモチモチの木が大きなスケールで描かれ、迫力がある作品。
やさしいおともだち(作 武田雪夫 画 瀬名恵子)
馬からえさを分けてもらっていたネズミが、馬小屋の火事から馬を救う。
くじらのゴン(作 門田南子 画 渡辺有一)
港に迷い込んでしまった母くじらのゴンを、人々はやさしく見守り、沖に返してやるという実話。
たつの子たろう(原作 松谷みよ子 脚本 瀬川拓男 画 久米宏一)
竜の姿になってしまった母を訪ねて、長く苦しい旅に出る太郎。太郎の成長物語。
川をわたったあり(作 長谷川玲子 画 田島敬之)
原作 小林多喜二。人間たちに住処を奪われたアリたちは、何とかして川をわたらなければならなくなった。
やまぶし石ものがたり(脚本・画 諸橋精光)
村人たちのために恐ろしい龍といのちをかけてたたかい、ついには石になってしまう
山伏の話。岩手県に伝わる民話。
安寿と厨子王(作 松岡励子 画 箕田源二郎)
原作 森鴎外。日本の古典だが、姉弟愛は現代にもつながる。
ハボンスのしゃぼんだま(作 豊島与志雄 脚本 稲庭恵子 画 桜井誠)
愛する息子を失った父親は、何とかして息子にもう一度会いたいと願う。
赤いろうそくと人魚(原作 小川未明 脚本 川崎大治 画 桜井誠)
人魚の赤ん坊を拾った老夫婦。やがてその子は成長し老夫婦の生活を助けるが、そこへ一人の男がやってくる。
りゅうのめのなみだ(原作 浜田ひろすけ 画 陣崎草子)
あるところにすんでいた龍は、人からとても恐れられていた。でも、ひとりの男の子だけは、その龍に会いたいと思った。
アハメドくんのいのちのリレー(鎌田實 作・安藤俊彦 画)
パレスチナの男の子アハメドは、ある日イスラエル兵に撃たれ脳死状態になってしまう。医師の臓器提供の申し出に、家族は深く悩んだ末、提供を決意する。
アハメドくんの心臓をもらったイスラエルの少女は医師を目指し平和を誓う。
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